インサイダー情報は存在する

競馬法には「勝たせる意志のない馬をレースに出走させてはいけない」という大前提があります。
要するに、レースは出走全馬が全力で1着を獲りにきている状況でないとマズいわけです。

しかし、これはあくまで建て前の話。最初から勝つ気のない馬は山のように出走表に名を連ねていて、その状況は完全に、黙認されています。


●厩舎サイドとしては使いたくないものの、状況的に使わざるを得ない一口馬主のクラブ馬。
●目標はあくまで先にあり、調教代わりに使われる馬。


それでも、「今回は調子が悪いから、まず負けるでしょう」なんてコメントは、口にできません。

だから、競馬新聞やスポーツ紙の厩舎コメント欄には、当たり障りのない言葉が並ぶことになります。
場合によっては、前向きな発言が載ることさえあります。

「最初から勝負する気のない馬がレースに出ている」という実態を、ファンがいくら知っていても、嘘で塗り固められたコメントからｌ、厩舎サイドの本心を見抜くことはできません。


その反対もしかり。

勝つ気がない馬がいる一方で、負ける要素は1つも見当たらないというくらい、絶好調の馬もいますが、
「絶対に負けるわけがありません！100％勝つでしょう。」という本音が新聞に載ることもありません。

他陣営から必要以上にマークされるし、万が一、馬券に絡めなかった場合は、
恥をかくことになるうえ、ファンに迷惑がかかるからです。
だから、程々に抑えた、強気の発言をするのが精一杯となるのです。

このような、決して競馬ファンの知りえない情報を知っているのが、
調教師、助手、厩務員、そして騎手。

彼らは法律上、馬券を買ってはいけないのですが、そのあたりは人に頼めばどうにでもなります。

彼らが自分たちの馬が絶対に勝てると確信した時、馬券で勝負しているという噂があちこちから聞こえてくるのは、そういう事実があることの裏付けに他なりません。

また、場主や牧場関係者など、法律上は問題なく馬券を買える、間接的インサイダーも存在します。
彼らも一般的なファンとは違い、決定的な情報を入手しやすい立場にあります。

ここ一番となれば、大きく張り込むことは、想像に難くないでしょう。


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